劇場版名探偵コナン 個人的ベスト5

名探偵コナンがものすごく好き。基本的にアニメ・劇場版派。原作も何冊か電子書籍の形で持っている。

物心ついたときから見ていたので、具体的に何が好きか問われるとちょっと困るのだけど、今年の4月に放映される劇場版の情報も出始めているこのタイミングで、劇場版の個人的なベスト5を書き留めておきたくなった。

ちなみに順位はソート作成サイトで決めた。私が使ったサイトは、あらかじめ入力しておいた作品名のうち2つが並列され、そのどちらがより上位かを選ぶ形式で、自分の好きな作品になればなるほど非常に難しかった。

 

1位 ベイカー街の亡霊(2002年)

1年で人間の5年分成長する人工知能、"ノアズ・アーク"を開発した天才少年・ヒロキが自殺してから2年。米花シティホールでは仮想体感ゲーム"コクーン"の発表会が行われていた。だが、その最中に殺人事件が発生。コナンは事件の手がかりを求めてコクーンに乗り込むが、システムがノアズ・アークに支配され、子供たちが人質に取られてしまう! 解放条件はゲームをクリアすること。コナンは19世紀末のロンドンで、殺人鬼を追うステージに挑戦することに…。

作画、ストーリー、音楽などさまざまな要素において間違いなく名作なのだが、コナンとしては異色作と紹介した方がいいかもしれない。

この作品はそれまでとは違い、野沢尚という人が脚本を担当している。そのせいなのか、名探偵コナンとしてはかなりメッセージ性が強く、メッセージ自体も複雑。個人的に感じたメッセージは「血脈」。コナン(新一)の父である推理作家・工藤優作が唯一劇場版でメインキャラクターとして登場しており、大人向けのダークな雰囲気のあるコナンである。

この映画の何がいいかというと、ほとんどのシーンがゲーム内の仮想空間のため、コナンが阿笠博士の発明品を一切使えないところ。時計型麻酔銃や蝶ネクタイ型変声機、キック力増強シューズなどの大人を圧倒する力を持たずに、頭脳と体、仲間との協力だけで、自分や蘭を含めた50人もの子どもの命を救わなければならない緊迫感が絶大。

終盤のある事態を受け、コナンが何もかも投げ出し、諦めてしまうシーンが賛否両論分かれるようだが、私はコナンの人間味を感じられるし、こんなこと起こったらそりゃそうなるわ……と思うので好きなシーン。

 

2位 探偵たちの鎮魂歌(2006年)

ある調査依頼を受け取った小五郎は、コナンと蘭、少年探偵団とともに横浜のレジャーパーク"ミラクルランド"に隣接したレッドキャッスル・ホテルへと向かった。依頼人の秘書から腕時計型のフリーパスIDを受け取った少年探偵団と蘭は、さっそくミラクルランドへ。だが、そのIDには、閉園時間になると爆発する時限装置付きの爆弾が仕掛けられていた! 爆弾を解除するには、依頼人のヒントをもとに、ある"答え"を見つけなければならないというが…。

記念すべき10作品目。鎮魂歌と書いてレクイエムと読む。

全体的に作画が美しい。この頃のコナンはみんな目が丸くて大きくて、見やすい輪郭をしている。

10周年作品として、正直そこまで派手さはないが、私は逆にそこが好き。今までのおなじみキャラクターがたくさん出てきて、一つの事件に対してそれぞれの役割を堅実に果たそうとする映画。探偵映画としては意表を突く結論が出てくるのもかっこいい。

この事件の依頼人の、「あなたが最も愛する人物は?」の答えがとても好きです。

 

3位 世紀末の魔術師(1999年)

世間を騒がす大怪盗"怪盗キッド"から、鈴木財閥が所有するロマノフ王朝の遺産"インペリアル・イースター・エッグ"を盗むという予告状が届く。大阪に駆けつけたコナンは服部平次と合流。そこへ颯爽と現れたキッドがエッグを盗み出すが、逃走中、何者かに狙撃されキッドは行方不明に。再びコナンたちのもとに戻ったエッグの謎を追い、豪華客船で神奈川に向かったコナン一行だったが、その船内で殺人事件が発生する!

ロマン溢れる作品。実在したニコライ皇帝一家が鍵となってくるのだが、こういう現実の歴史における謎とからめると物語の深みが増す気がする。

序盤に登場する怪盗キッドがキザ・オブ・キザで毎度びっくりする。

怪盗キッドを始めとして、服部、哀ちゃんなど今のコナンではおなじみのメンバーが劇場版初登場だったりする。

終盤、お城の中でのあるシーンが非常にロマンチックかつ感動的で、とても好きなんだけど、これに関しては何言ってもネタバレになるので、そこで流れる印象的なサントラだけ置いときます。

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4位 瞳の中の暗殺者(2000年)

警察官を狙った連続殺人事件が発生。現場を目撃したコナンは、必死の追跡も虚しく、犯人を取り逃してしまっていた。さらに、事件について聞き出そうとするも、白鳥刑事には「Need not to know(知る必要のないこと)」と言い放たれてしまう。そんな中、警察関係者が多く集まるパーティで佐藤刑事が襲われ、居合わせた蘭がショックで記憶喪失に! 犯人の顔を目撃したため、命を狙われる蘭。何もかも忘れてしまった蘭を、コナンは守り切れるのか!?

「コナンってどんな話?」と人に聞かれたら、まずこの劇場版を観ることをおすすめする。コナン(新一)と蘭の純愛、蘭と園子の友情など、コナンの基本を崩さず、推理要素とラブコメ要素がきっちり詰まっているのがこの映画。

伏線もきちんと散りばめられており、すべての映像や描写に注意深く気を遣っていれば、もしかすると犯人に気づけるかもしれない。

コナンには一応英題があるんだけど、他がたいていタイトルの直訳なのに対し、瞳の中の暗殺者は「Captured In Her Eyes」っていうちょっと捻ったものになってるのがおしゃれだなと思っている。

終盤のシーンばっかり取り上げてしまって申し訳ない。ただ、この映画は最後、コナンではないあるキャラクターが主人公ばりにかっこいい立ち姿を見せ、その周りにいる他のキャラクターたちの引き絵でエンディングのイントロが入るんだけど、そこがしびれるくらい最高。

余談だけど、ポスターのコナンのちょっと思いつめたような表情が好き。

 

5位 銀翼の奇術師(2004年)

舞台女優・牧樹里のもとに怪盗キッドからの予告状が届く。キッドの狙いは、樹里が舞台"ジョゼフィーヌ"で使用するスター・サファイアの指輪。宝石を守るように依頼された小五郎は、キッドが役者に化けて舞台の公演中に盗み出すと推理するが…。公演当日、中森警部らも参加し厳戒態勢のなかで舞台の幕が開くが、キッドは大胆にも新一の姿でコナンの前に現れ!? 屋上で対峙するコナンとキッド。しかし、事件はさらなる展開へと向かう。

世紀末の魔術師以来の怪盗キッド登場作。

サントラのテイストがジャズチックで好きな曲が多く、飛行機トラブルのシーン以外もわりと控えめなテンションで話が進むのが見やすくて好み。

あと、個人的には劇場版オリジナルキャラクターの牧樹里さんがなぜか好き。というのも、彼女は高飛車で性悪な人物なのだが、対外的にはそうは見えず、言動の端々にのみその性格が感じられるのが妙だと思っている。

一番好きなのは、”ジョゼフィーヌ“を演じたメインキャスト陣で樹里さんの別荘に向かうことになった空港で、「他の俳優さんたちはいらっしゃらないんですか?」と尋ねた蘭に対し、「当たり前でしょ? 端役の連中呼んだって何のメリットもないじゃない」と笑顔で言い放ったシーン。笑顔なのがポイント。あからさまなのではなく、根からズレてるんだろうな、と思わせてくれる感じがすごく上手いと思う。

あと、この映画見るとしばらく飛行機乗りたくなくなる。