肩を貸す

夜になって急に調子が悪くなった。張り詰めていた糸がぷつん、と切れたかのように涙が出てきた。たまにこういうことがある。薬をもらってから、最近はあんまりしんどくなくなったな、やったぜ、と思ってたけど、ひとっ飛びにはいかないっぽい。

涙が出てきたのが夕飯の準備中だったので困った。別に泣き出すわけじゃないし、眼鏡で目は見えにくいと思うから、家族にバレる心配はそこまでしてなかったけど、夕飯という、一定時間は席に着いていなきゃいけない状況が近づいているのが憂鬱だった。

たとえ家族でも(家族だからこその部分もある)、人と長くいると疲れ切ってしまう。早く職に就いて一人暮らしをしたい。家族のことは嫌いじゃないし、好きなところもちゃんとあるけど、多分、家族と離れて暮らした方が、私は幸せに彼らと交流できる。あと、いろんな理由を鑑みて、基本的には一人で生きていけるようにもなりたい。まだその力がついてない感じするけど。

人間って一人じゃ生きていけない、ってよく聞く。よく聞くから多分本当のことなんだろうなって思うけど、そのことが悲しい。誰かと一緒に生きられる可能性を低く見積もっているので、できることなら「一人でも生きていけるよ」みたいな言葉があってほしい。でも、一人で生きていけないというのは、誰かの支えありきということでもあるので、逆に温かいのかもしれない。

似たような概念で「依存」があるけど、大学時代のカウンセラーさん曰く、「依存先をたくさん作っていくことで自立できる」らしい。矛盾するようだけど、分かる気もした。いろんな人の肩を貸してもらっていいんだよな、きっと。